小説投稿サイト「エブリスタ」で連載された『完璧ワイフによる完璧な復讐計画』(著者:雪村こはる)。その小説がマンガアプリ「マンガMee」で漫画化され4000万PVを超える大ヒットを記録。そして、小説、漫画と、多くの読者の心を掴んできた作品が遂に実写化。ドラマ『完璧ワイフによる完璧な復讐計画』で主役の雨宮成美を演じている中村ゆりかさんに、今作の魅力から漫画の魅力についてまで、お話を伺いました!
(S T O R Y)
看護師の仕事も家事も常に完璧な妻・雨宮成美(中村ゆりか)。夫の柊斗(犬飼貴丈)と幸せな結婚生活を送っていると思っていのだが、ある日、柊斗が自分の後輩看護師・有馬莉々花(三原羽衣)と不倫をしていることに気づく。目の前で音を立てるように崩れ落ちていく“完璧な結婚生活”。成美は完璧な復讐計画を立てて実行に移しはじめるが、一方で、夫の柊斗もまた同僚の柏木瑞希(中村海人)を巻き込み完璧な離婚計画を企てていて……。
「リアルで、気づけばすっかり入り込んで原作を読んでいた」
――今作に関してはまず最初に原作を読まれたとか。この作品のストーリーに触れたとき、どのような感想を抱きましたか?
だいぶダークでスピード感のある、エンタメとして“完璧”なストーリーだなと思いました。同時に、私はリアリティも強く感じて。それこそ「本当にどこかで起きているんじゃないか」と思ってしまうほど、物語のなかに引き込まれたというか。リアルだからこそ「自分は浮気に気づけるのか?」「自分だったら黙れるのか、騙されないのか?」、ついつい入り込んで読み進め、色々と考え込んでしまったりして。
10話、柊斗の下着の匂いで浮気を確信するシーン。
――中村さんの目に “雨宮成美”はどんな女性にうつりましたか?
なんでも完璧に自然とこなすことができる、成美は誰からも憧れられるような存在。完璧だからこそ、慌てず、冷静に、周りに察知されることもなく、笑顔の下で淡々と復讐計画を進めることができるんですけど……。本来の成美はとても優しくピュアな女性なんだと思います。普段は誰かを陥れようなんて考えたりせず、ただただ、夫の柊斗と幸せになることを願っていたというか。だからこそ、柊斗の裏切りがショックだったし、許せなかったし、復讐のスイッチが入ってしまったんだと思うんです。
1話、完璧に家事をこなして出勤する成美。まさに完璧ワイフ。
「私だったら、復讐する前に離婚届をサッと出してしまうかも(笑)」
――もしも、中村さんが成美と同じ立場だったらどうしますか。夫に復讐はしますか?
私だったら、復讐する前に離婚届をサッと出してしまうでしょうね(笑)。不倫の事実を知った瞬間、気持ちはサーッと冷めるでしょうし、そこに労力を使うくらいなら静かにフェードアウトするほうが自分の性格にはあっているような気がします。そもそも、普段からなにかと抜けている私には、成美のような完璧な復讐計画を立てられないと思いますし、成美のようにカンが鋭くもないので。夫の不倫に気づくことができるかどうかすら、危うい(笑)。
友達の表情を見て「元気がないな」「何かあったのかな」なんて気づくのはわりと得意なほうだと思うのですが、柊斗のように“良い夫”の仮面を被られてしまったら……その下にある“悪い夫”の顔にはなかなか気づけないかも。私が成美だったら、今ものほほんと結婚生活を続けていそうで怖いです。
17話、柊斗への完璧な復讐を誓う、読者から大人気のシーン。
「誰かを裏切りそうになったときは、このドラマを見て落ち着いてほしい。
誰かに裏切られたことがあるなら、復讐劇に自分を重ねスカッとしてほしい」
――成美の後輩と不倫したあげく、自分の同僚に「離婚するために成美と不倫してほしい」と頼む、柊斗は本当に酷い夫ですよね。そんな夫を感情的に追い詰めず、ひとつひとつ証拠を集めながら、ジワジワと追い詰めていく、成美の姿は爽快でもあります。
本当にすごいですよね。私も成美を演じながら「なるほど」と感心。「そういう方法もあるのか」「その違和感は見逃してはいけないのか」なんて学べることもあったりして。「成美は今すぐにでも探偵になれるんじゃないか」っていつも思っています(笑)
――そんな柊斗と成美の泥沼のバトルがドラマのなかで描かれるわけですが、撮影現場の雰囲気はどんな感じなのでしょうか?
柊斗を演じる犬飼さんはお芝居になるとやっぱりプロなので。スイッチが入ると、目の表情が怖いほどにガラッと変わり「ああ、柊斗だな」って、その迫力に圧倒されそうになるんですけど。カットが掛かり、スイッチが切れると、ホワホワ〜って、いつもの柔らかい犬飼さんに戻るんです。現場もまた同じです。集中するときは張り詰めた空気が流れることもありますが、基本、とても雰囲気がよく居心地も良くて。キャストが集まる撮影日には、みんなで美味しいゴハン屋さんの情報交換で盛り上がったりしました。
3話、不倫だけではなく成美が作った料理を捨てる、あまりにもひどい柊斗の所業。ドラマでも忠実に再現!
――今作じゃすでに、小説としても漫画としても話題に。多くの人の心を掴んでいる、この作品の魅力とは何だと思いますか?
成美が柊斗を追い詰めていく、その過程の爽快さや、ふたりの駆け引きのハラハラ感も魅力だと思いますし。今作に描かれている「大事な人を裏切ったり陥れたりすると、本当に大切なものを失ってしまう」そんな深いメッセージも魅力のひとつだと思います。単純に物語を楽しめるのはもちろん、心に刺さるものがちゃんとあるというか。もしも今、実際に誰かを裏切っていたり、裏切ろうとしている人がいたら、「この作品を見て!」って伝えたい。そうすればきっと、大切な人を大事にすること、正直に誠実に生きること、それが重要だということに気づくことができるかもしれないから。
「実は私、子供の頃から漫画が大好きな“漫画っこ”なんです」
――ちなみに、今作は原作だけでなく漫画も読んでくださったそうですね。
実は私、子供の頃から漫画が大好きな“漫画っこ”なんです。今も昔も本屋さんが好きで、店頭でコミックスを手に取ることも多いのですが、どんどん数が増えてしまうのでグッとガマン。最近はアプリを使って空いた時間に漫画を楽しんでいます。昔から、少女漫画も少年漫画も大好きで、ジャンルにこだわらずいろんな作品を読むのですが。そのなかでも、決してありきたりではない、そこかしこに驚きが隠れているような、壮大なストーリーの作品が好きです。ページをめくるたびに「次はどんな展開が待っているんだろう」と好奇心やワクワクが掻き立てられる、それこそが漫画の魅力だと私は思うので。先が読めなかったり、こちらの想像を超えてきたり、そういう作品に惹かれるんです。
漫画『完璧ワイフによる完璧な復讐計画』も成美や柊斗がどんな攻防戦を繰り広げるのか、ページをめくるのがとても楽しかった。そのたびに、ワクワクしたり、ハラハラしたり、胸苦しくなったり…。ドラマもまた同じような感覚で、みなさん楽しんでもらえたら嬉しいなって思っています。
撮影/斎藤大嗣 取材・文/石井美輪
ドラマ原作コミックス情報
『完璧ワイフによる完璧な復讐計画』はマンガMeeにて大好評連載中
単行本版(紙・電子)コミックス1・2巻発売中!
電子分冊版も配信中
(c)錦ヒトミ・佐倉サク・雪村こはる(エブリスタ)/集英社
ドラマ情報
ドラマイズム「完璧ワイフによる完璧な復讐計画」
放送日時: 2024年8月13日(火)放送スタート
放送情報: MBS毎週火曜日24:59~/TBS毎週火曜日25:28~
出演者: 中村ゆりか、犬飼貴丈、中村海人、三原羽衣
公式HP: https://www.mbs.jp/kanpeki-wife/
配信: TVer、MBS動画イズムにて無料見逃し配信
(c)「完璧ワイフによる完璧な復讐計画」製作委員会/MBS
原作情報
雪村こはる「完璧ワイフによる完璧な復讐計画」(エブリスタ)
■ エブリスタ
2010年よりサービスを開始。恋愛やファンタジー、ホラー、ミステリー、BL、青春、ノンフィクションなど多様なジャンルの作品が投稿されている小説創作プラットフォームです。 エブリスタは「誰もが輝ける場所(everystar)」をコンセプトに、一人一人の思いや言葉から生まれる物語をひろく世界へ届けられるクリエイティブコミュニティであり続けます。 "ここからどこへでも行ける これから何にだってなれる あなたから、はじまる everystar Brandnew story with you."
面白かったら応援!
お気に入りに追加して
更新情報を受け取ろう!